進路・就職

修了生の声

河村 和賀子

河村 和賀子
修了年度
2023年度(2024年3月修了)
所属クラスター
政策分析・評価クラスター
就職先
ボストン・コンサルティング・グループ合同会社

私にとって公共政策大学院の魅力は人との距離の近さです。

実際に授業や就職活動を通じてその良さを実感し、他者との関わりがあったからこそ、将来を見据え、自分が社会にどう貢献するか答えを見つけられる大学院生活になりました。

授業は内容の幅広さとその形式から、大学までの学びを掘り下げながら、公共政策に繋げていく楽しさを感じられました。授業内容は法学・政治学・経済学に加え、統計学や日本の政策の歴史、英語習得を目指す科目まで、実践的に学べる内容が多くありました。中でも、実務家教員の先生方から霞が関や民間企業などで起こっていることや今後の展望の予想などを聞くことができたのは大変貴重で、一人で勉強するだけでは得られない学びでした。授業形式も、ゼミ形式で先生との距離が近かったりグループワーク形式だったりなど、一方通行でない学び方で授業に参加する楽しさがありました。

就職活動の際にも、興味関心の近い先輩や同級生との交流の中で自分の可能性を見出してもらったりお互いの将来について議論を交わすことができ、2年間しかなかったとは思えないほど深い交流ができました。また、先生との繋がりの中でも有用な情報や進路の相談の機会をいただくなど、頼りにさせてもらいました。

神代 凌

神代 凌
修了年度
2022年度(2023年3月修了)
所属クラスター
行政組織間交渉クラスター
就職先
総務省

京都大学公共政策大学院での生活を振り返ると、「多種多様な人々と関わり、バランス感覚を身につけられたこと」が私にとって大きな財産だったと感じます。

学部時代は関わることも少なかった、留学生や社会人学生の方からは授業中のディスカッションや自主活動で様々な意見を吸収することができました。また、教員も法学、政治学、経済学の研究者から中央省庁や日本銀行等出身の実務家教員まで幅広くいらっしゃり、理論と実務双方からの学びを得ることができました。

行政組織間交渉クラスターでは、デジタルガバメント論やメディアポリティックスなど「様々な組織がある中で課題にどう向き合い調整していくか」について学ぶ科目を中心に履修しました。とはいえ履修の自由度も高いため、所属するクラスター以外の科目も積極的に受講しておりました。

現在は総務省官僚として主に地方自治分野に携わっています。一年目から都道府県庁に赴任し、霞が関でも地方自治体からの出向者とともに働くことが多いという特徴がありますが、京都大学公共政策大学院で出会った人々から学んだバランス感覚を生かし、国民が何を求めているかに寄り添えるような政策を立案できる官僚になりたいと考えています。

山脇 大尭

山脇 大尭
修了年度
2022年度(2023年3月修了)
所属クラスター
地球共生クラスター
就職先
環境省

自然災害、経済成長、東京一極集中、環境問題、国際関係など、複雑に影響しあう社会課題の解決法を探るにはスペシャリストとしての能力に加えてジェネラリストとしての幅広い視野が重要になってきます。

京都大学公共政策大学院では、自身の興味関心のある分野に加えて、自分の知らなかった分野の社会課題に触れ、課題解決力を鍛えるカリキュラムが設定されていることを実感しました。実際に受けた講義で印象的なものとして、まちづくりの現状や課題について、フィールドワークも交えて学ぶ講義や、NPOの実態や課題について、NPOを運営する方から直接話を聞いて議論する講義などがありました。これらの講義を通して得た課題解決方法は、元々興味のあった環境・エネルギー分野のうち、地域脱炭素の取組を考える上で貴重なヒントになりました。

このような幅広い授業を、アカデミアの先生、実務家の先生両方から受けることができ、加えて、授業内外で様々なバックグラウンドを持った同級生と議論することができます。その後の自身の進路を考える上でも、非常に質の高い学びができた期間だったと思います。

加藤 あかり

加藤 あかり
修了年度
2021年度(2022年3月修了)
所属クラスター
地球共生クラスター
就職先
株式会社三菱総合研究所

法学部のゼミで、今社会で起きている問題を取り上げて紐解き、今後の展開について考える楽しさに気付いたことから大学院への進学を決めました。体系的な理論に軸を置く学術研究にも関心はありましたが、社会課題を自分の手で解決する仕事に就きたいという意思は固まっていたため、進路を見据えて公共政策大学院を選びました。

私は理論志向が比較的強かったのですが、京都大学の公共政策大学院では実務家の先生方、アカデミアの先生方が様々な視点からご指導を下さり、関心の行き場に困る事はありませんでした。また、同級生と議論を交わす中で各々の関心・視点に触れることで、まさに一つの問題を取り上げても膨大な関係者、立場、意見があるということを学生のうちから学ぶことができました。

授業で自ら政策や社会課題を選び、背景や周辺知識、ステークホルダー等を整理して自分の立場を示すということを繰り返したことは、単に関心領域についてより深く学べるだけでなく社会人として政策等に関わるのに必要なスキルを身につける助けにもなりました。公共政策大学院はまさに公共部門に必要な視座、知的好奇心、倫理観、仲間、あらゆるものが得られる場であったと感じています。

岸原 大樹

岸原 大樹
修了年度
2021年度(2022年3月修了)
所属クラスター
行政組織間交渉クラスター
就職先
総務省

京都大学公共政策大学院を修了して間もなく2年が経過しようとしています。勤務先である霞が関の地で改めて京都大学公共政策大学院で学ぶ意義を考えてみました。

私なりの言葉で言えば「実現したいと思う社会に向けて自分の頭で解決策を社会に提示する」ということだと思います。

およそ20年、30年前には想定し得なかった目を背けたくなるような課題で溢れる今日の社会において、京都大学公共政策大学院で得た「実現したいと思う社会に向けて自分の頭で解決策を社会に提示する」能力を駆使し、これからも解決困難と思われる課題に果敢に立ち向かっていきたいと思っています。

山近 祐揮

山近 祐輝
修了年度
2021年度(2022年3月修了)
所属クラスター
政策分析・評価クラスター
就職先
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

「民間と行政の役割の差異はなにか」。単純なようで、非常に難解なテーマです。

それぞれの言葉の定義上の差異ではなく、現実社会ではどのように役割分担がされているのかを深く理解したいと考えたことが、本院の門を叩いたきっかけです。

私が修士1年生だった頃、とある自治体の課題に対して、実地調査やヒアリングを踏まえた施策の立案に挑戦していました。この取り組みで学んだことは、民間と行政は、両者とも「社会をより良くしたい」と強く望み、お互いに歩み寄りつつも悩みながら社会を前に進めているということでした。また、行動原理や考え方が異なる「民間」と「行政」の両主体が、同じ方向を向いて課題に取り組むためには、現実に起きている、もしくはこれから起こる可能性のある事象をできるだけ客観的に記述し、共通認識を作ることが何よりも重要であることも学べたと感じています。「政策評価・分析クラスター」で身につけた分析手法や専門知識は、考え方等が異なる主体間の共通言語を作るという点で、大いに活用できたと認識しています。

京都大学公共政策大学院で、専門領域横断で各専門領域の第一人者である先生方からのご指導を受けることができたことや、「より良い社会の在り方」について青臭く議論できる仲間と巡り会えたことは、人生の大きな財産になったと確信しています。

今後は、本院での経験を通じて得た知識と洞察を活かし、民間の立場から「社会をより良くする」支援をしていきたいと考えています。