自治体首長(広島市松井一實市長)講演会「国際平和文化都市の実現に向けて~50年、100年先の広島の発展を見据えた持続可能な『まち』づくり~」を開催しました
2025.12.24
自治体首長(広島市松井一實市長)講演会「国際平和文化都市の実現に向けて~50年、100年先の広島の発展を見据えた持続可能な『まち』づくり~」を開催しました。
参加頂けなかった方も、下記リンクから当日の動画をご覧頂けます。
日 時 : 2025年11月27日(木)16時50分~18時30分
場 所 : 京都大学吉田キャンパス国際科学イノベーション棟 西館5階HORIBAシンポジウムホール
講演概要
今回の自治体首長講演会では、本学法学部ご出身で、現在は全国市長会会長も務めておられる広島市の松井一實市長をお招きし、「国際平和文化都市の実現に向けて~50年、100年先の広島の発展を見据えた持続可能な『まち』づくり~」をテーマにご講演いただきました。松井市長からは、「競争」から「協調」を重視する政策へと発想を転換することで「国際平和文化都市」を実現する取り組みについてお話を伺うことができました。当日は多くの学生や関係者が熱心に聴講し、持続可能な都市経営を考えるうえで大変示唆に富む講演となりました。
【広島市 松井市長】
最初に、松井市長のご経歴とお仕事への向き合い方についてご紹介いただきました。市長は、ご自身が労働省時代に推進されていた「ワークライフバランス」の考え方を広島市のまちづくりに取り入れていること、「忍耐・寛容・はつらつ」という広島市発展の歴史を、ご自身の職業観と重ね合わせておられることについてお話しくださいました。また、「温故知新」の姿勢を大切にし、特に失敗の経験を「今」に活かすべきと語られたことが印象的でした。
続いて、松井市長が目指すまちづくりの考え方についてご説明いただきました。市長は、国際平和文化都市を具現化するための3本の柱として、「世界に輝く平和のまち」「文化が息づき豊かな人間性を育むまち」「国際的に開かれた活力あるまち」の3つを掲げておられます。そして持続可能な都市を実現するための視点として、広域的な視座である「鳥の目」と、地域に密着した視点である「蟻の目」を提示されました。「鳥の目」からは、「200万人広島都市圏構想」のもとヒト・モノ・カネが循環する県境を越えた広域都市圏を形成し、様々な取組を実施するとともに、水平補完によって周辺自治体の理解も得ながら特別市への移行を進める構想をご紹介いただきました。また「蟻の目」からは、「ひろしまLMO」を通じた地域コミュニティ強化の取り組みをご説明いただきました。こうした取り組みが国に認められ、地方自治法の改正にもつながったというお話は非常に興味深いものでした。
講演の後半では、前述のまちづくりの3つの柱に対応した具体的施策をご紹介いただきました。松井市長は、平和の気持ちを抱ける環境づくりと、その成果として生まれる市民の行動や価値観の集積を「平和文化」と定義し、これが日常的に営まれることで広島が「国際平和文化都市」として確立されるという考え方を示されました。現実の対応に終始するのではなく、平和の理想を追求すべきとの姿勢のもと、平和文化月間や平和首長会議といった取り組みを進めていらっしゃることもご紹介いただきました。また、「都市回廊」づくりの推進、「西風新都」をはじめとする市街地整備、アストラムラインの延伸、プラットフォーム構築による公共交通の充実強化など、都市の活力の基盤を整備する施策等についてもご説明いただきました。これらのご紹介を通じて、まちづくりの理念がどのように具体的施策へと落とし込まれているかが明確に示されました。
質疑応答では、人口減少社会で若い世代に地域へ戻ってきてもらうための施策や、まちづくりにおける利害関係者間の調整の重要性などについて、広島駅再整備のご経験も交えながら丁寧にお答えいただきました。市長が対立ではなく信頼と協調を重視したまちづくりを様々な施策で実践してこられたことをご説明いただき、参加者も関心を持って耳を傾けていました。
公務で大変ご多忙の中、遠路ご来校くださり、ご講演いただきました松井市長に心より感謝申し上げます。
主催:京都大学公共政策大学院
本講演会には大和リース株式会社から京都大学公共政策大学院への寄附金が活用されています。
問合せ先:自治体首長講演会 運営事務局 kyotouniv.lectureseries@gmail.com
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