自治体首長(福井県杉本達治知事)講演会「日本をもっとおもしろく!~福井から、日本を変える~」を開催しました
2024.06.25
自治体首長(福井県杉本達治知事)講演会「日本をもっとおもしろく!~福井から、日本を変える~」を開催しました。
参加頂けなかった方も、下記リンクから当日の動画をご覧頂けます。
日 時 : 2024年5月30日(木)16時50分~18時30分
場 所 : 京都大学法経済学部本館2階 法経第六教室
講演概要
【福井県 杉本達治知事】今回の自治体首長講演会では、福井県の杉本達治知事にご講演を賜りました。今回の講演会のテーマは、「日本をもっとおもしろく〜福井から、日本を変える〜」ということで、福井県が推進する様々な政策を中心にお話をいただきました。会場には多くの学生が集まり、知事のお話を熱心に聴講しました。
冒頭ではご自身のご経歴と、福井県の歴史・現在を簡単にご紹介いただきました。杉本知事は総務省から福井県に出向して総務部長と副知事を経験され、その後知事に立候補され、現在2期目を務めておられます。さらに、福井県は京都と関係が深いことや、10年連続で幸福度ランキング全国一位の県であることなど、福井県の様々な魅力をわかりやすく伝えて下さいました。
次は講演会の核である福井県政の運営に関してのお話でした。杉本知事は三つの指針「県民主役の県政」「徹底現場主義」「チームふくい(連携)」を掲げていらっしゃいます。特に「徹底現場主義」という観点では、若手職員が考案した職員の5つの行動規範「職員クレド」の中にも現場を重視した項目があることや、杉本知事自身も県内の市長・町長・市議・町議と密接なコミュニケーションを取っておられるとのお話が印象的でした。また、職員がただ上からの指示を待つのではなく、自律的に行動することを重視しており、年度ごとのマネジメントであるPDCAサイクルに加えて、OODAループ(Observe, Orient, Decide, Act)による機動的見直しを行う行動手法を取り入れることで、災害などに限らず不測の事態に直感的に対応できるようにすること、既存の業務にとらわれずにデザイン思考を持って県民のための革新的な政策を職員自らが考案できる職場づくりを推進していることなどを紹介されました。
また、そのような政策デザイン思考が福井県行政において様々な成果をもたらしている具体的な事例も紹介していただきました。コロナ禍では、積極的疫学調査やマスク購入券の配布、入院調整の一元化など、様々な政策を先手で実施することにより、コロナ患者の重症化を大幅に防いだとのことです。また、人口減少問題に対しては、大学や企業等の偏在解消の提言とともに、県内では「ふく育県」として、0〜2歳の第二子以降の保育料の所得制限なしでの無償化や、私立を含めた高校授業料無償化の拡充、企業に対する男性育休取得促進支援などを推進していることをご紹介いただきました。
その他にも、県庁内での働き方改革や生成AI活用による業務の効率化、若い職員の積極的登用など、杉本知事の「長く働くことを良しとしない」という言葉にも表れているように、柔軟性に富んだ、様々な革新的政策が紹介されました。知事が説明された、人口減少対策のための新しい法人税制の政策提案などは、まさに今回の講演会のテーマである「〜福井から、日本を変える〜」の精神を強く感じられるものでした。
ご講演の最後には、参加者からの質問にも丁寧に対応していただきました。その中で、議会との関係や、総務部長や副知事の時とは違うトップとして感じる喜びや苦しさなどもフランクにお話いただき、参加者の方々も興味深く聞き入っていました。
公務ご多忙な中、ご出講頂きました杉本知事、誠にありがとうございました。
【福井県 杉本知事 ご講演の様子】
【質疑応答の様子】
主催:京都大学公共政策大学院
本講演会には大和リース株式会社から京都大学公共政策大学院への寄附金が活用されています。
問合せ先:自治体首長講演会 運営事務局 kyotouniv.lectureseries@gmail.com
⇒過去の首長講演会はこちらから