専任教員・併任教員

 

武藤 浩(MUTO Hiroshi)

基本情報

1979年に京都大学法学部卒業後、運輸省(現国土交通省)に入省し、バス・タクシーの許認可行政の担当課で行政の初体験の後、大臣官房で臨時行政調査会の行政改革の担当となりました。その後、国鉄再建監理委員会に異動となり、係長として国鉄分割民営化の一端を担い政治と行政がダイナミックに動く現場を体験しました。
航空局では、航空会社の担当課の課長補佐、課長と部長に10年置きに就任し、許認可に縛られていた業界が行政改革を経て市場競争に晒されて行く様を年表として実感しました。また、成田空港に出向し、 公共事業執行の地元調整の失敗と信頼回復の過程を目の当たりにするとともに空港ビジネスを企業側から経営しました。
大臣官房では、大臣の庶務担当や秘書官として政治家の活動を間近に体験するとともに国会対応について総括審議官や官房長として当たりました。また人事課長時代には公務員制度改革を担当しています。
国際関係では、在スペイン日本大使館に赴任し、オリンピックと万博を同時に誘致して経済成長を進める強かな国を見たほか、国際担当審議官として安倍総理の首脳外交に1年間同行できました。
2017年に事務次官を退官して企業の顧問などに就任していますが、行政の現場では政治主導の名の下に、政治改革と行政改革が進んで公務員の業務は随分と変化しており、この変化に対応すべく改革を進める公務員の活動を正しく伝えたいと京都大学での授業を担当するにいたりました。改革は社会状況を見守りながら進めることが必要で、局長時代には改革の結果生じた弊害を修復することが大きな仕事でありました。行政の責任を果たしながら現場で運用していく様を説明し、大学の理論と行政現場を繋ぎたいと思います。